認定看護師と専門看護師

看護師と言うと一般的には病院狭しと駆け回っているようなイメージがあるかもしれません。今回は特定の知識や技術に秀でた看護師、認定看護師と専門看護師について紹介していきたいと思います。

まず、認定看護師とは基本的には次のような看護師を指します。
1.個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。
2.看護実践を通して看護職に対し指導を行う。
3.看護職に対しコンサルテーションを行う。
(参考)公益社団法人 日本看護協会ホームページ

という、「実践」「指導」「相談」の三つを軸として職務を行います。普通の看護師としては「熟練した看護技術」を用いて、また同じ看護職の人間に対する指導のみならずコンサルテーション、つまり看護の仕方に不安がある看護師に対して適切なアドバイスをすること、をも行います。単に質の高い看護師としての能力では認定看護師になれるわけではありません。また、看護業についてなんでもかんでも認定されるということではなく、特定のいくつかの分野についてのみ認定看護師の技術として認められます。この特定分野で3年、看護師としては5年以上の実績があることが認定看護師になるための最低条件とされています。

次に専門看護師ですが、こちらは次のような看護師を指します。
1.個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)
5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6.専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)
(参考)公益社団法人 日本看護協会ホームページ

なんだか認定看護師とところどころ被っているようですが、認定看護師とは活動するフィールドがやや異なります。
認定看護師は救急看護や皮膚・排泄ケアをはじめ21分野、専門看護師はがん看護や精神看護をはじめ11分野となっています。いずれもまだまだ数が少ないのですが、業務内容を見ても分かる通り患者のためのみならず、同じ職場で働く看護師のケアも行う非常に大切な役目を持っています。このように、専門看護師と認定看護師というのは非常に違いが分かりづらいのですが、さらにあえて考察してみると、「高い水準」か「卓越した」看護という違いがあります。どう違うの?と一瞬私自身思いましたが、「卓越」には他よりも飛びぬけて優れている、という意味合いがあります。つまり、普通の看護師では対処できないような問題に対する知識や技術を(当然分野によりますが)身につけている、ということになります。そう考えてみると、「高い水準」はあくまで一般的な看護に関して、品質の高いものを提供するという風に考えられます。言葉遊びのようですが、定義に照らすとおおよそそのような事ではないかと思われます。